Artesano de Circulos Concentricos

【映】キャタピラー

Viva‼寺島しのぶ。。。。

ベルリンで銀熊賞を受賞しましたね。

若松孝二監督がずーっと描き続けているテーマ。『戦争』

この映画を観ていると単純な反戦映画とは言い切れない。
綺麗ごとじゃ済まされなさがひしひしと伝わってくる。

傷痍軍人として戻ってきた夫は四肢を失い言葉も失い。。。。これが我が夫久蔵の姿かと目を疑う。

こんな姿で帰って来たというのに、世間は本心とは裏腹に軍神さまと崇める。

そんな夫を見つめるシゲ子の目は。。。。

四肢を失い唯々寝るばかりの夫。。。こんな体になっても求めてくる。
食欲もある。。。
嫌々ながらその求めに応じる。

その目は不思議さも含めば憎しみも。

日課の如く嫌がる夫に軍服を着せ勲章をつけてリヤカーに乗せ村を散歩する。
その時のシゲ子は恐ろしくキリッとした軍神の妻の顔になる。体裁を繕う
こここ怖い。人間て。

すごく印象的なシーンは、村の人に「軍神さまにこれを。。。」と生卵を貰うのですが、
何かこころの箍が外れたシゲ子は寝ている夫の顔に「食べなさいよ〜」と泣きながら叫び打ち付け
ふと我に帰り夫を抱きしめ「ごめんね〜」と。。。
憎しみもあれば情もある。母性ですかね。

凄く人間らしい、本質を付いたシーンだなぁーと深くため息を付いてしまった。

いつか、夫は出征先で自らがおこした犯罪に心蝕まれていき、夫と妻の立場が逆転した今となっては加害者から被害者の立場に。

とある熱情シーンでは自分の上に乗る妻の顔が自分の顔に。。。鬼のような自分の顔が。
そして気が狂わんばかりにもがき苦しむ。

天皇の玉音放送の後。。。久蔵は自ら行動を起こすのですが、そうだろうそうだろう、戦争という後ろ盾がなければどこに生きていける糧があるというのか。

この映画、急遽芸術家の熊さんが出演する事になったそうですが、凄くいい。
キーパーソンであり、彼が放つメッセージはこも映画の凄く重要な部分を表現しているんじゃないのかなと思ったな。

初めから胸が詰まりっぱなしの重たい映画でしたが凄くよかった。

戦争映画ってともするとかっこよく撮られているものが多いけどこういう、傷跡を描いた映画もあっていいのではないかしら。

そして戦争を知らない世代に語り継がれていけばいい。

戦争。。。。反対に決まっている。

この映画を観ると、戦争反対っていうのも上っ面過ぎてなんだか。
もっと深く。。。。
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by gota-de-fericidad | 2010-08-18 08:34
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