Artesano de Circulos Concentricos

【映】悪人

深津絵里さんがモントリオール映画祭で主演女優を獲得した作品ですね。

公開前から、妻夫木くんの演技が新境地開拓と評判を呼んでおりました。とても楽しみにしていた映画でした。

いやぁ想像以上に重い映画でしたが物凄くよかった。

多くを語らずもどかしいほどに表現しないことでの、無の演技。どれほどまでに辛いか。
抑圧された感情に潜む純粋性や脆さを物凄く感じた作品でした。

解体業の祐一は保険外交員の女の子と出会い系サイトで知り合うが、侮蔑的言葉に思い余って。。。。
本当の愛が欲しい。。。。

一方、こちらも本当の愛が欲しい光代。一度だけ出会い系サイトでメールの交換をしている。

そんな二人が出会い、絶望の淵を彷徨いながら、愛を貪るように互いを求めあう。
光代は初めて温かい幸せを感じるんですねぇ。孤独じゃない。

そして祐一の『自分は殺人者である』という告白から二人の刹那的な逃避行が始まる。

物凄く印象に残ったシーンは、隠れ家で寒さに震える光代を同じ毛布に包まりながら一生懸命にさすってあげるそのシーンは物凄く不器用なんだけど愛が一杯だ。
そして光代の足先が真っ赤にかじかんでしまう。。。その足を盥にお湯を入れて慈しむように優しく包み込み温めてあげるシーンなんて悪人てこんな人?って思ってしまう。

最後のシーンは衝撃的でしたが、これが祐一が光代に示した最高の究極の愛なんですねぇ。
きっと光代はわかっていたでしょう。彼のそんな本当の優しさを。

この映画を観ていると善人と悪人の境がよくわからなくなる。
映画の中で岡田将生や満島ひかりが演じた男女は決して法を犯したわけではない。。。ましてや満島演じた女性は祐一に殺されてしまうんだから被害者なんですよ。
でも物凄く上手に悪人を演じていた、そう心が汚い人たちを。

そしてそんな彼らを支える人たちも秀逸。
樹木希林、柄本明、光石研・・・・特に白眉なのは樹木希林さんでしょうねぇ。
もう堪らなかった。

この映画、どことなく小池栄子×豊川悦司主演の接吻(これもNagieお薦め。小池栄子脱皮作品と思っているくらい)に似ている。
愛を知らない孤独な二人が、不思議な糸で引き寄せられ本当の愛を知る。そして愛を知ったことで今までなかった感情が芽生え始める。

そっくりだよ。

この映画が終わった瞬間、ペラペラと喋りだした隣の若いお兄ちゃんとお姉ちゃんが不思議だったなぁ。
よく喋れんなぁって。
殆んどの人が無言ぽかったというのに・・・若さっていいなっ。

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by gota-de-fericidad | 2010-09-19 17:23
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