Artesano de Circulos Concentricos

秋は読書の季節なり

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FBのとある方のコメントを拝見し読んでみたくなった。

確かに不幸なことばかり。。。。でも何故か幸せの糸も見える。

独特の世界観を放つ、血なまぐさい文章だ。女の血なまぐさを感じる。
著者である鹿島田真希さんの経歴を見てみた。なるほど仏文卒かぁ。あーそんな感じがする、分かる。

難解なフランス映画のよう。
またロシア文学の様相も感じる。

なるほど彼女はロシア文学に傾倒しているんだ。もう納得。

裕福だった過去に執着し、借金を重ねる母と弟。
家族から逃れるはずの奈津子だが、突然、夫が不治の病にかかる。

どこにも幸せのかけらがない。

自分の母親や弟、そして夫を俯瞰するように、冷たく観察し分析している奈津子ですが、その実その過去や夫の病気にとらわれて生きていたのは何よりも奈津子なのだ。

夫は何も気づかないという・・・・

果たして本当なのだろうか?

読み終えた時にやはり彼が一番の理解者であると同時に、そんな彼女を大きな愛で包んでいるのだと思った。

気づかぬふりして、実はざっくりとした大きな愛で女性を包み込むなんてなんて素敵なことだろうと思う。

この本を読んで・・・・
女性というものは、何事も複雑に、こんがらがった、ときほどこうともにっちもさっちもいかないほどに絡まった糸のように、思考してしまう生き物

男性は、理屈とか理論は複雑に思考できても感情というものは至極単純にしか思考できない生き物なのではないだろうか?

だからこそ、奈津子は、自分の旦那のことを何も分かってない、気づいていないと愚かな存在と思ってしまうのではないか?

しかし、男というその単純思考性生き物によって自分の人生が救われていることに薄々気付き始めているのだ。

短編であるがゆえに背景描写の甘さを感じずにはいられないけれど中々面白い作品だった。

私は彼女の三島由紀夫文学賞をとったという『六〇〇〇度の愛』に興味津々です。

さてと読書そして映画の秋に耽ってみたい。





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by gota-de-fericidad | 2012-09-23 23:19
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