Artesano de Circulos Concentricos

【映】長江哀歌(エレジー)

Nagieの大好きな女優さんの一人、カトリーヌ・ドヌーブがベネチア国際映画祭で大絶賛し金獅子賞に輝いたという作品。カトリーヌ様が惚れたとなれば観ないわけにいかない。
先日、長蛇の列に並ぶも満席で観れず、酔いどれ詩人になるまえにに急遽変更し、日を改めて。

悠久の歴史を感じさせてくれる古都、奉節。2008年の北京オリンピックに向けての国を揚げてのプロジェクト、ダム工事。それに合わせていつしかなくなってしまうこの景色を舞台に映画を撮ったというもの。二人の男女の人生を描く。一人は2年間音信不通の夫を探し、離婚して人生をやり直そうとこの街を訪れたシェン・ホン、そして16年前に別れた妻子に会い、もう一度やり直そうとする炭鉱夫、サンミン。道はそれぞれ違うけれども二人とも人生をやり直す為に・・・・

国の思惑の為に翻弄されながらも毎日を明るく希望を持って生きる市井の人々。とても美しく描かれている。映画は4章に別れていてそれぞれに烟(タバコ)、酒、茶、糖(アメ)とタイトルがつけられている。私たちにとってなんてことのないものですけど、古来より中国人に欠かせない、「とても素朴な形で普通の人々に喜びと幸福をもたらす」ものなんだとか。
決して起伏の激しい映画ではなく、人の流れも、感情の流れも静かに過ぎていく。でも心の中に何かを置いていってくれるような映画でした。
映画は全編通して、奉節の素晴らしい景色が映し出されている。とてもゆっくりと流れるような穏やかな映像。なのに時々挟まれるCGがとてもびっくりする。
あるシーンでは不思議な形のモニュメントがロケットが発射するように忽然と飛んでいってしまう。えっ?何、今の?って思って、あの映像の意味はなんなのかと深く考えて家でチェックしてみたら奉節の景観に合わないから無くなって欲しいと思って飛ばしたとの監督のコメントが出ていました。へぇ・・・単純。でもこのモニュメント、予算がなくなったから途中で建設中止になったものなんだそう、中国にはこういう建物等がまだあるらしい。すっごい、ラフですよね。
後でそのつけがたっぷり回ってきちゃううじゃないのかしら・・・今は使われずに廃墟となってしまったようなグリーンピアなんとかっていう日本のお役人が立てた施設みたいにさ。

昨日のブログでの天然コケッコーの映画でもそうですが、国が進化を遂げるってことは、こういった本当は残すべきものを犠牲にして成り立つものなのでしょうかね。
でもそのために犠牲にしているものは大きい。なんといっても人の心・・・・どうしてこんなに人の心や文化、伝統が廃れてしまったのでしょうか、淋しいの一言に尽きます。相撲だってそうですよね、変ですよね。

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by gota-de-fericidad | 2007-08-21 20:37
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