Artesano de Circulos Concentricos

【映】ベルサイユの子

世界遺産で名高いベルサイユ宮殿。その外れの森には多くのホームレスが世の中に背を向けてひっそりとくらしているのだそう。映画の舞台はそんな森の中。

ベルサイユ宮殿をのんびりと観光する日のあたる場所に暮らす人々、それに対して世間から身を隠すように森の中で自分たちだけのコミュニティーを作って行き当たりばったりに暮らす闇の人々。
その対比がなんともリアルだ。これだけ不景気になって職を失う人たちが増える中、他人事とは思えない映画ですよ。

なんとか自立したいと思っている若き母親ニーナとその子供エンゾは住むところもなく飢えと寒さに耐えながら街角の路上で生活をしていた。
ある日、一枚の新聞記事を目にした彼女。それを手にパリに戻ろうと駅に向かってベルサイユの森を彷徨ううちに道に迷ってしまう。
森の中に仮小屋を建てて世間から身を隠すようにひっそりと暮らす一人の男ダミアンと出会う。ニーナは彼のもとにエンゾを残して姿を消してしまう。

そんな状況に憤りながらも次第に心を通わせ合う二人。。。。

仮小屋が火事になったり、ダミアンが病気になったり、幾多の困難の末、エンゾの為にダミアンはある決心をするのでした。

んー、ダミアンの為に、あの広いベルサイユ宮殿の庭を助けを求めて必死に走るエンゾ、本当に名演技、名子役ですよ。あの真剣な、一点を見つめて走り続ける姿に涙が出そうでした。

色々な状況が交錯しながらのこの映画なんとも重たい気持ちにさせられる。
子供の為に必死に仕事を探す母親、でもね結局置き去り・・・・
子供の為に一度捨てた世間・社会に戻ってくるも再びまた・・・・
人生のほとんどを他人に育てられるエンゾ・・・・

でもねぇ、子を持つ母はやはり強かった。

そして血には敵わなかった。

さてこの映画でダミアン役をしたギョーム・ドパルデュー、名優ジェラール・ドパルデューの息子だそう。この映画でも親子の確執が描かれていましたが実生活でも父親との確執によって実に波乱な人生を送ったのだそうです。そして去年、急性肺炎でこの世をさりました。なんとも映画のようなストーリーです。

ちょっと暗いけどとにかく俳優陣の一人一人の演技が光る映画だった気がしました。


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by gota-de-fericidad | 2009-05-03 21:19
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