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Artesano de Circulos Concentricos

【映】Dear doctor

親愛なるお医者様。。。。。なるほど。

Nagieのお薦め映画ベスト10に入る、『ゆれる』。この監督、西川美和さんの最新作。
初の主演映画・・・・笑福亭鶴瓶主演で話題かな。

山間の小さな小さな村で僻地医療に取り組む、一人の医師、伊野。彼は村の人から「神様、仏様」と崇めたてられている。

そんな彼がある日突然、忽然と姿を消してしまう。

捜査が進む中で暴かれていく彼の姿は誰も真実を知らない、捉えどころのない姿。
そう、彼は贋医者だったのです。

村に住む、一人の女性、かづこ。彼女は-自分でもとっくに気付いている-末期の癌だった。
彼女は娘たちに知られたくないばかりに伊野に「私と一緒に嘘をついてください」という。
決してかづ子にも真実を告げない、伊野。でもそれは暗黙の了解。真実は心の中に。

ふぅ、相変わらず、ゆれるね。そうなんです、世の中には白黒はっきりつけられないグレーゾーンが一杯。
そのグレーゾーンの中で私たちは生きているんだっていうことを突きつけられる映画。

「生命」と「いのち」。

生命は科学で解き明かされるものであり、命は神の世界、抽象的な、心象。

その間で揺れ動く。

Nagieも大したことではないにしても医療に携わる身。時に選択に困ることもある。

教科書的には、また医療としては最善の方法であるけれども、その患者さんにとっては不幸な、望まない治療法、はてどちらを選択するべきか。


映画の中で、井川遥演じるかづ子の娘であり女医でもあるりつ子が刑事に「伊野先生なら母をどんな風に死なせてくれるのでしょうか?、それを聞いてみたい」と呟く。

そして瑛太演じる研修医が「小さなことに感謝される喜びがここにはある」と。これはNagieも実感する。
普段東京と栃木のど田舎で診療に当たっていて常に感じること。そして東京でだと当たり前になってしまっていることでも、田舎だと凄い喜んでもらえる瞬間が多々ある。その瞬間、あぁ、この人たちの為に少しでも頑張ろうと思う。

こんな心のやり取りこそが医療なんだと思う。勿論、技術の進歩も大切ですが、根本はこれですよ。
これを忘れちゃったら医療人としてどうなのさ。


前作のゆれるも決定的な結末のない映画でしたがこの映画も同様で、観る者に結末が委ねられている。
前作同様、パンフレットを熟読し、それぞれの役に立って色々思いを巡らして自分なりの結論を見つける。
でも結局、グレーゾーンから抜け出すことはできない。


渋谷で映画といえば、その後はこちらです。水曜日に続いて、Snootyfox。
先日同行知人が飲んでいらしたウィスキーが忘れられず飲んでまいりました。美味いねぇ。
【映】Dear doctor_a0070133_0582085.jpg【映】Dear doctor_a0070133_0583189.jpg















夏の終わりにはこちらでDJ付きのイベントを開催することにしました。今から楽しみです。



by gota-de-fericidad | 2009-06-28 01:01
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