Artesano de Circulos Concentricos

【映】扉をたたく人

妻に先立たれた孤独な大学教授ウォルター。
日々の生活も研究も何にも興味がない、ただ只管日々が過ぎ去るのをぼーっと眺めるだけ。

ある日、学会に出席する為にNYへ。
NYに持つアパートメントに到着したウォルター、なんと自分の部屋に見ず知らずのカップル、タレク&ゼイナブが住み着いていた。

行く当てもなく出て行こうとする二人を、次のアパートが決まるまでということで奇妙な同居生活が始まった。

今まで何にも興味もなく無気力に生きていたウォルターにとってとても大きな出来事。ジャンベ奏者であるタレクと次第に心を通わせ、ジャンベを教わって心から、魂の赴くままに体を動かし楽しむことを知る。

そんな楽しい日々もタレクの逮捕というアクシデントによって壊れていく。そうタレクは不法滞在だったのです。
ウォルターは彼の為に弁護士を雇ったりして一生懸命活動するが。。。。


人の質問にも適当に答え、自分のエリアに踏み込んでこようとすると、嫌味で他人行儀な答えでかわし、これ以上入り込めないようにしてしまう。
そんな彼にとって、純粋に、頭でなく、心で付き合おうとする彼らは最初、それはそれは異星人だったでしょう。
でも実際はウォルターの方が異星人だったわけですよね。

彼らによってやっと人間らしい、素直な根性が戻ってきた。あー、自分の心はまだ何かに感じ感動することができるんだ。誰かと触れ合いたいと思う優しい感情があるんだと。

ウォルター役のリチャード・ジェンキンス、いい味出してるね。最近ではバーン・アフター・リーディングのフィットネスジムの支配人役が記憶に残っていますな。そしてコーエン兄弟のバーバーも印象的でした。

自由の国アメリカ・・・それはまやかし、ごく一部の都合のいい人たちだけに与えられた特権みたいなもの。
この映画を観ていると国を見るのでなくてその人個人を見てほしいと思う。
9.11テロ以降、外国人に対してきわめて不寛容になっているアメリカ・・・・自由の女神って何さ?

最後のシーン、愛し始めていたタレクの母親がシリアに向かう空港に大きな星条旗が揺らめいている。
なんとも皮肉なシーンであり、監督のメッセージがどーんと伝わってくるね。

こんな映画の後は少しのんびりと過ごしたい。向かうは恵比寿お気に入りカフェ。

小さな古いビルの4階にありエレベーターもない。内装は昭和の香りがっつり、ゆる~いインテリア。
a0070133_026356.jpg


映画へ思いを巡らせたり、持っていた雑誌や小説に目をやりながらベルギービールに、おつまみ。
ピクルスとグリルトマトのサラダ。
はぁ、筋肉が弛緩していく、思わず膝をキュッと締めて揃えていた足を前にだーっと伸ばして椅子の背もたれに頭を預ける。堪らない極上の時間。

a0070133_028519.jpg
a0070133_0291168.jpg






[PR]

by gota-de-fericidad | 2009-07-05 00:30
<< 最後の作品 忘れちゃったよー >>