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Artesano de Circulos Concentricos

身なりを調える…

今、読んでいる本


『サンダハン八番娼舘』

これは30年以上前に書かれたルポルタージュ。

女性史研究者である山崎朋子さんが“からゆきさん”の生の声を文字にしたもの。

東京から取材で天草に行き、皆口を閉ざすからゆきさんの存在に体当たりで向かう。

何故からゆきさんにならなければならなかったか。

見知らぬ異国の男たちに我が身をひさぐとはどういうことか。

そして今…


さてその中にこんな行(くだり)がある。

“おサキさんの生活は貧窮の生活だった〜略〜おサキさんはほんの数枚の衣類しか持っていなかった。褪めかかった紺色の粗末なスカートに洗いざらしのリップル地のシャツ、それが彼女の他所行用の衣服で、家にいる日に着ているのは、鼠色の古びたペラペラの木綿のスカートに、更に一層ペラペラになったステープル・ファイバーのシャツ。〜略〜ただ村内で不幸があったとき、箪笥の底から、銘仙の着物を出して着て行ったがこれは特別中の特別…”


さて私はこの話に人間としての質というか品というか尊厳性…そんなものを感じた。

貧しくても失わない、失ってはいけないもの。

北野たけしも貧しい家庭であったけどうちのかぁちゃんは人としての品があって決して貧乏臭くなかったと…


先日、民主党新人議員の初登院の朝に…
賞味期限切れ間近のみたらしだんごをぱくつき、ダイエーで買った14000円のスーツを着るという朝の支度の様子が流れた。

Nagieはこの映像に愕然としたよ。
こんな時(日)くらい、朝の食事をきちんと調えて、家族(独身であれば仕方があるまい)でその厳粛なる日を分かち合い、きちんと仕立てた(でなくてもそれなりの着物)スーツで何故登院できないのか…
親や妻(があるならば)はどうしたのか?

これをこぞって報道するメディアにも問題があるけど・・・きっと庶民派だとかなんだとか、彼の飾らない姿を報道したのでしょうが私は凄くその映像に(彼にでなく)嫌悪を感じた。
こういうのを庶民派とは言わない。


あー、今は誰でもが政治家になれる時代になったんだなぁ。(勿論よいことではあるが)また政治家然とした人もいなくなったんだなぁと熟……


そう言えばとこかの党首の揮毫の文字も凄かった。私も字が下手だけど立場が違うわねぇ。
昔は政治家になるとたしなみ(帝王学みたいなもんか…)として書や句、茶道なんかは習わされたもんだけどねぇ。

あー、日本らしさが失われていくなぁ。

Nagieは年寄りに好かれるらしく、昔は(その方々が存命の頃)よくお食事の席に呼ばれた会がありました。その中には政治家の方や財界の方もいらした。恐らくはしがらみなく歯に衣着せぬざっくばらんに話すNagieに気楽さを感じたのでしょうね。
彼らは定期的に論語や哲学書をなど繙き学び、書やあげく油絵なんぞもしていました。
今にして思えばNagieもご一緒させていただけばよかった。
勉強嫌いのNagie…丁重にお断りさせていただいた…




by gota-de-fericidad | 2009-09-25 11:50
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