Artesano de Circulos Concentricos

【映】ボヴァリー夫人

あのフランス文学の金字塔の一つであるボヴァリー夫人。

1850年代後半に出版されましたが、風俗紊乱の罪に問われ1857年に無罪を勝ち取ったという作品。

田舎の冴えない町医者に嫁いだエンマは平凡な毎日に辟易しながら贅沢とロマンスに憧れて暮らす。
絵や歌を習ってもいっこうに、毎日に変化をもたらしてはくれない。

そんな中であったのが青年レオン。お互い気持を寄せ合っていることは分かっているのに告白できずに別れの時を迎えてしまう。
そして自暴自棄になったエンマはプレイボーイの貴族ロドルフとの不倫に走る。
それでも彼女の空虚になってしまった心を埋めることはできなかった。
ある日、観劇にでかけたエンマはそこで愛しの君、レオンとの再会を果たし。。。。。

そして最後は。。。。

なるほどねぇ、退廃的な映画ですなぁ。レディ・チャタレイを彷彿とさせる映画でした。
映画は残念なことに小間切れ状態になってしまっていて流れがつかみにくい。是非本を読んでみたい。

主人公の女優さんは、この監督さんと出会った時には成人した二人の娘と夫と共にフランスのグルノーブルに暮らし、ある教育施設で民族言語学を教えていたのだそう。そして監督の要望で15kgの減量をしたのだとか。

ところでこの映画、内容よりも映像というか作りが大変面白い。音、光、色。。。。衣装はディオールなんだとか。
確かにレースのドレスとか凄く刺繍の部分が凝っていて素敵でした。

肥沃とは程遠い、寒々とした色のない岩山がが目にっぱいに広がる。(季節になれば勿論緑豊かになるのでしょう。兎に角広大なことだけは確か)
商人ルオーが持参するのは素敵なショールや扇。鳥が囁き鳴くように話すエマ。
そして衝撃的なのは、冴えない旦那さま・シャルルとの夜の営みのシーン。なんとも動物的。
このシーンがロマンスを求めるエマに対して、俗物的でおよそ美意識というものを持ち合わせていないであろうシャルルという人間を象徴しているような気がします。

そして音の付け方が一種独特なんです。家の中のシーンではとにかく蠅の羽音が凄いの。これも美しさを求めたいエマの非日常性を強調するツールみたいなものだと思うし、声も、無声映画に後から音を乗せたような感じで微妙にずれているんです。
フランス語・・・・ロシア語・・・・
何かを食べてでる粘性の音もリアルに、わざと(だと思う)再現されている。

もうこの手法が気になって気になって。映画の内容よりもそちらの方に興味がいっちゃって。

しかし大してメジャーな映画でもないのに混んでいましたね。それに驚き。
この映画の監督が、少し前イッセー尾形氏主演の終戦直前・直後の数日間における昭和天皇の苦悩を描いた、太陽という映画の監督さんだったからでしょうか?



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by gota-de-fericidad | 2009-10-04 19:26
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