Artesano de Circulos Concentricos | |||||
大好きな三島由紀夫さまの戯曲。 シンプルな舞台。そして黒を基調とした中々個性的で現代的な衣装。 んー、凄い。重厚かつ流麗な言葉の嵐。一人ひとりのセリフが恐ろしく長く、そして小難しい。 演じる人たちをさぞや苦しめたことだろう。 台詞の一つ一つがすべて三島文学だと実感するその独特の世界はその言葉を受け取る観客にイエスorノーを突き付けているようです。 元々三島由紀夫作品が好きな私、さらには彼の作品で紡ぎだされている言葉の美しさに魅了されている私にとってこの舞台は至福の時間。 サド侯爵・・・そうSMのS・・・サドはここからきているのですね。 投獄されている侯爵をひたすら待ち続けるルネ夫人。 キーワードは『貞淑』・・・ ルネの中で貞淑の形が様々に変化(へんげ)していくのですが、身をちぎるほどの残虐な快楽の中に見つけてしまった美・・・悦楽・・・ 彼女はこれに貞節を貫いたのではないかなとふと思った。 先日行ったイ・ブル展でも彼女の作品の中に残虐なものと透き通るような美しさの混在があったように人の心にも必ず相反するもんが存在するのだ。 いい女の条件は、昼は淑女で夜は悪女(男性が悦ぶような)というけれどこういう要素は実は誰しもが潜在的に持ち合わせているものなのだと思う。 ルネをみているとわかる。 散々貞節を守り待ち続けたあげく、ルネが自分に下した決断は? 言葉では説明できないけれど分かる気がした。 散々待ち続けた彼女が出した結論は最高の美しさの形なのではないだろうか? はぁよかったなぁ。 出来るならもう一度観たい。 しかし白石加代子さん、凄かったなぁ。
by gota-de-fericidad
| 2012-03-14 20:28
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