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Artesano de Circulos Concentricos

LOVE展にて

草間彌生さまの展示空間にいくと彼女自身の肉声で詩がかたられています。

その場ではよくわからなかったのですが昨夜、彼女の関係者である知的女性よりメールが。。。

その内容は…………

『落涙の居城に住みて』

やがて人の世の終末に 巡り会う時がきたら

年を重ねた月日の果てに

死が静かに近寄ってくる気配か、

それにおののいているとは 私らしくないはずだったのに。

最愛の君の足跡の影に 悩みはまたしても夜半に訪れて

わが想いをあらたにす

君をこそ恋したいて 「落涙の居城」の中に

籠っていた私は 今こそ人生の冥界への道標の

指し示すところへ さまよい出てゆこうか

そして空が私を待ちかまえ 

たくさんの白い雲をたずさえている。

いつも私を元気づけていた 君のやさしさに打ちのめされて

心の底から私は 「幸福への願望」を道ずれに

探し求めてきたのだった

それは「愛」という姿なのだ

あの空を飛び交う鳥たちに 叫んでみよう、聞いてみよう

私のこの心をこそ 今こそ伝えたい

私の久しい年月を芸術を武器にして

踏みしだいてきたのだったが

その「失望」と「虚しさ」を 

そして「孤独」の数々を胸に秘めて

生きながらえてきた日々は

人の世の花火が 時として「華麗」に空に散りばめていた

五色をもって夜空に舞っていく 花火の粉末を全身に

散りばめている感動の瞬間を 私は忘れない

今こそ最愛の君に捧ぐ

人生の終末の美しさとは すべて幻覚の幻だったのか

あなたに聞きたい

心のすべてを捧げて 時を生き抜いてきた今

美しい終末の足跡を残したいと 

祈っている今日の日々を

傷めないでそっと 生きていたい私が

受け取ったあなたへの愛のことづけ


凄い!の一言しか出てこなかった。
なみだが止まらなかった。。。。

80という年月を重ねた人ですら、まだまだ恐怖や哀しみに打ちひしがれ、
これから迎えるであろう死というものに怯えるのだ。
人間の心はもう何をもにも動じることはないみたいに淘汰されることは死ぬまでないのだ。

私なんぞ、まだまだだな。

生と死、そして愛。

彼女は40代で最愛のパートナーを亡くし帰国の途についている。
彼を思っての詩なのだろうか?

生涯そうして彼への愛を貫く姿は美しいと感じずにはいられない。

彼女のこの詩をどう感じるかは様々、性別でも違うでしょうし、年齢でも置かれた環境でも違うでしょう。

いやぁ、凄い!

この一語に尽きる。





by gota-de-fericidad | 2013-05-12 12:03
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