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Artesano de Circulos Concentricos

たまにはのんびりね

久しぶりにお家ご飯。昨日の残りにちょこっと手を加えたものばかり。
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隠元の胡麻和え、トマトのマリネ、茄子の揚げ煮浸し。どれもこれも作り置きの八方だしや和え衣に和えただけという簡単メニュー。
仕事から帰って全部やろうと思ったらそりゃ大変。上手に作り置きを利用すると短時間で彩り豊かな食卓に。
そして茄子とトマトを盛り付けているこの器、7つの大きさのお皿が入れ子になっています。4つの面には飾りボタンが付いていてとてもシンプルモダンで素敵です。韓国の大好きな作家さんの作品です。以前韓国に行った時に大量に買ってきた中のひとつ。
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たまにはのんびりね_a0070133_2051721.jpgいまひとつなんだか分かりにくいのですが、これかなり贅沢品です。北海道留萌から取り寄せている天然ししゃも。薄塩でとても柔らかい。半生状態で焼き上げるのが一番美味しい。









たまにはのんびりね_a0070133_20534562.jpgなんてことない里芋ですが、これ、裏の畑で取ってきたもので、粘りが凄い。蒸かしてお醤油をちょっとつけてぱくり。路地物はやっぱり美味しいね。







先日、吉村昭氏の短編集、『蛍』を呼んでいて・・・・こんな一節が・・・
"女が口もとをゆるめ、かれに眼をむけた。歯列の端にプラチナをかぶせた歯がのぞいたが彼はその鈍い光を放つ歯に初めて気づいた。"
そしてもう一節
"門の外に出ると妻は抑揚の乏しい声で言った。前夜、前歯の部分にさしていた義歯が二本ぬけたままになっているので、その声は不鮮明だ"

私は思った。ただ単純に歯の状態を書いただけなのですがそこには湿り気を帯びたどこか気だるげな日常、女のそこはかとない淫靡な臭気さえも表現されていると。
たったこれだけの文章なのに、一瞬にして状況がありありと眼に浮かぶ。凄いねぇ。

爽やかな新緑の中で、笑った彼の口もとから白い歯がきらり・・・なんて言ったら育ちのよさそうな好青年になっちゃうんですねぇ。






by gota-de-fericidad | 2008-05-12 21:13
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